釣れるルアーの中でもとりわけ名前が挙がる通称「ハチマル」ことX-80シリーズはこれまでに多くのラインナップを展開しアングラーから支持を獲得してきました。
今回は、その中でも2017年にリリースされメガバス独自の新重心移動システムを搭載した人気ジャークベイト「X-80SW LBO」をご紹介します。
スペック
サイズ | 82mm |
ウエイト | 12g |
タイプ | シンキング |
レンジ | Max1.7m |
フック | #6 |
リング | – |
特徴
「X-80SW LBO」は、スタンダードモデルである「X-80SW」にメガバス独自の新重心移動システム「LBOⅡ」を搭載した新モデル。
これまでのLBOシステムを小型ルアーにも搭載すべくさらにスリムかつコンパクト化されたのがLBOⅡで、ルアーの性能を損なうことなく飛距離の向上に貢献。
そして、タングステン重心移動式だったX-80SWから飛距離がさらに20%向上したことで、幅広いエリアに対応可能なハチマルに仕上がっています。
また、ハチマルシリーズらしい強いアクションと泳ぎだしの良さ、さらにロッドワークに追従する高いレスポンス性を発揮し、とくに港湾やボートシーバスでは使い勝手の良いジャークベイトとして機能してくれるでしょう。
X-80SWとの違いは内部構造以外にも、大きさが1.5mm、ウエイトが1gアップしスローシンキングからシンキングタイプへ。リップも肉厚になりボディも頑丈になったことで従来モデルの弱点を強化したモデルと言えます。
ハチマルシリーズは豊富なバージョンがラインナップされており、シーズンやポイントに合わせて使い分けが可能なのも魅力の1つです。
インプレ
筆者にとって、護岸際を一本一本を確実に攻めつつランガンしたいとき頼りになるのがハチマル。
「あれ、ハチマルってこんな大きかったかな?」
今回は、そんな一目ではわかりにくいLBOバージョンを購入ししばらく使用してみました。
まず飛距離ですが、LBOの名を冠するだけあって毎回50〜60m程度はかっ飛びます。
従来のハチマルも飛距離に関してはまだまだ優秀だけど、LBO化されたことで他社のシャッドプラグと比較してもトップクラスの性能になったでしょう。
もちろん、ボディ形状やリップの関係で抵抗感があり風の影響は受けやすいです。
しかし、これならオープンエリアでも不足なしという感じですね。
また、ルアー着水後はウェイトを戻す動作は必要なく、巻きだしの瞬間にほぼ確実にウェイトが戻るのはLBO化のもう1つの恩恵でしょう。
巻き出しは気持ち重くなった印象…。
ですが、巻き続けていて疲れるほどではなく、ヌルヌルとしたロール主体のウォブンロールでアピール。
ファストでは強めのウォブンロールで誘い、ミディアム〜デッドスローではローリング成分を増したアクションでアピール。さらに、流れの変化によって起こるイレギュラーな脱軌道アクションも特徴です。
また、低重心設計なのでジャークやトゥイッチからヒラ打ちで誘うのも効果的ですね。
足場が2m以上だと水面を割りやすくて少し使いにくいですが…。
というわけで、このハチマルLBOも70アップをはじめ存分にシーバスを釣ってくれたルアーです。
良い点
従来モデルと比較すれば、①飛距離、②ウェイト移動、③頑丈さの3つがかなり改善されました。
広く探りたいときのパイロットルアーとしてもちろん、マンメイドストラクチャーへの繊細なピン撃ちにおいても対応できるようになり、これまでよりもさらに用途の幅が広がった印象です。
とくに筆者的には、ウェイトがスムーズに戻ってなおかつ頑丈なリップがあるってことが大きい。
もちろん、オリジナルであるハチマル特有の窪んだ極薄リップから出るナチュラルな波動は唯一無二と言えるかもです。
しかし、それだけでは出来ないことをLBOに任せる、という感じで使い分けていくのも良いかもしれません。
総合力の高い次世代型のハチマル
気になる点
ハチマルLBOは安定した飛行姿勢が魅力ですが、軽量なシャッドプラグなので向かい風や横風の影響を受けやすいのが欠点です。
また、速巻きにもある程度対応できますが、2秒に1回転以上だと水面を割ったり動きが破綻するケースが見られ、アクションも従来のハチマルと比べるとレスポンス性が若干落ちてしまった印象です。
この辺は、LBOⅡを内蔵するために少しサイズアップしたことからくるものかもしれません。
加えて、他社の同ジャンルのルアーに比べて価格が高めなところもなかなか購入しにくい点かもしれません。
今後も使い続けるなかで気になったところがあれば追記していきます。
ハチマルに比べてアクションが鈍重気味
使いどころ
港湾や少し水深のある干潟といった流れの緩いポイントを中心に河川や河口でも出番があるルアー。
飛距離を活かした潮目撃ちから足元の護岸撃ちまで幅広く使えて、デイ・ナイト問わず使える性能も便利。
とくに雨後の高活性時や秋のハイシーズン中はハマれば爆発力もあり(ハチマルよりもややスレやすい気がします)、シーバス以外にも青物やフラットフィッシュの釣果も期待できますね。
食わせとしても優秀なX-80SWですが、アングラーの中にはあのガラスのような繊細で高価なルアーを扱うには気を遣う場面も多かったかもしれません。
しかし、今回そうした部分がうまく強化されたことで、キャストに不慣れな初心者でもしっかり飛ばせて長く使えるルアーに仕上がっていると思います。
おすすめエリア:港湾、干潟、河川、河口
まとめ
というわけで、今回はメガバスの「X-80SW LBO」をご紹介しました。
例えるなら、往年のファンタジスタであるバッジョが現代のアスリートであるデ・ブライネになった感じ。
どちらにも魅力があります。
正直、X-80SWがあまりにも定番化されすぎていて期待値はそこそこでしたが、今回実際に使ってみると良い点も多く従来のハチマルともしっかり差別化されてるなと感じました。
食わせのハチマル、性能のLBOという感じで良い方をセレクトしてみるのも良いかもしれません。