鉄板バイブを使っているとありがちなフックの糸絡みや巻き疲れ。
限られた時合いの最中、あるいは長時間の釣行など、こんなことは精神的にも肉体的にも追い打ちをかけるストレスでしかありません。
というわけで、今回は2025年にゴートゥーナインからリリースされたメタルバイブレーション「クランビット(15g)」を紹介します。
スペック
サイズ | 60mm |
ウエイト | 15g |
タイプ | シンキング |
レンジ | 50cm〜 |
フック | #8 |
リング | #2 |
特徴
バレーヒルの新規ブランドであるゴートゥーナインから発売された新機軸の鉄板バイブ。
「快適」「機敏」「軽快」の3つの「K」をコンセプトに開発され、圧倒的な使用感の良さを追求しました。
従来のバイブレーションにみられるテーリングを独自の特許機構「Snap-Loc-System」により徹底排除。
遠投から回収による無駄なタイムロスを大幅にカットできます。
また、スリムシェイプなボディは高いレスポンス性を発揮。
巻き出しからアクションまでの助走距離が短くなることで、アピールレンジを長く確保できるだけでなくシーバスへの見切られにくさにも繋がります。
そして、この形状はリトリーブの際の圧倒的な軽さにも貢献。
誰でも長時間に渡って巻き続けられる使いやすさを実現しました。
2つのホールアイから状況に応じた使い分けが可能で、ただ巻きでのタイトピッチアクションからロッドワークを駆使したリフト&フォールやダートまで多岐にわたるアプローチも可能。
コンパクトで手返しよく使える15gモデルは、シャローエリアを中心に幅広いフィールドで活用できるスタンダードなサイズ感となっています。
インプレ
プレビュー
新拓也さんによる注目のブランド「ゴートゥーナイン」。
第一弾の「スウォーム80S」はバチ抜けの”3フェーズ”をコンセプトにしたシンキングペンシルで、ユーザー視点に立った非常にわかりやすいプロデュースが印象的でした。
そして、早くも第二弾となる「クランビット」がリリース。
今回も、店頭で購入の際にはミニリーフレットが添えられており、「WEBサイト」か「リーフレット」どちらでもルアーの特性などを知ることができます。

さて、このクランビットにも”3K”というわかりやすいコンセプトがあります。

めちゃくちゃ使いやすそうってのが第一印象だけど気になる部分もあります。
「Snap-Loc-System」という斬新なホールアイ。
おまけに、フロント・リアと2つの使い分けが可能となってます。
このあたりは非常に楽しみでもあり懸念点だったので、その点も込みで感想を書いていきます。
レビュー
2つのモデルがリリースされた中、今回は15gモデルを使ってみました。
まず、スナップの着脱は控えめに言ってもストレスです。
最初はプライヤーを使ったりもして苦労します。
が、コツを掴めば20秒以内で完了するので根気よく使うしかありません。詳しくは後述します。
飛距離はPE1号で65m程度。
同ウェイトのメタルバイブより飛ぶ印象で、多少姿勢が崩れても空気抵抗を受けにくい感じ。
着水後、素早くフォールしここでバイトで出ることも多々ありました。
着底後はスナップが横に傾くことがないため絡まることもほぼなし。
ちなみに、爆風の中で1〜2時間投げ続けても無駄撃ちになったのは数回ほどでした。
稀にフックがボディの凹凸に引っかかるくらいですが、トラブル率の低さは鉄板系の中でもトップクラス。
泳ぎ出しも素晴らしいです。
とくに後方のアイにセットした際は2〜3巻きでアクションが感じられます。
ピッチは細かく非常に軽快な巻き心地。
かといって抵抗感がないわけでもなく、ヘッドの上部にフラットな面積が確保されているため泳ぐ際はここがよく水を受けてくれます。
2つのホールアイについて。
フロントは、速巻きやダウンクロスに適した軽快さや低抵抗感、さらに水平寄りのスイム姿勢が魅力。
リアは、低速やアップクロスでも機敏に泳ぎ出すレスポンス性とエッジの効いた強いアクションが特徴。
また、ショートピッチのリフト&フォールやトゥイッチといった微細なロッドアクションにも難なく対応してくれます。
15gモデルは比較的どんなロッドでも合わせやすいと思いますが、飛距離と操作性のバランスで8ft〜9ftあたりが最適ではないでしょうか。

良い点
まず、快適さも込みで操作性の高さはメタルバイブの中でも屈指の完成度だと思います。
プロモーションにあった”3K”のコンセプト通り、使い心地やロッドワークへの柔軟性を重視したい人には非常におすすめ。
とりわけ、リアアイにセットした際のレスポンスは抜群です。
フォールでのアクション性も良いのでとても気に入ってます。
一長一短はあるにせよ、Snap-Loc-System+超極薄ボディという攻めたアイデアやデザイン性も良きです。
独自性+操作性
気になる点
まず、問題点としてこのルアーに適したスナップを使用する必要があります。
公式で推奨されている通り、バレーヒルの純正品「クロススナップ」「クイックスナップ」がおすすめ。
(純正じゃなくても似た形状のスナップ、あるいは1サイズくらいの誤差ならセットできました。)
とりまスナップの可動域を制限できればOKなので、極端なサイズや横に広い「リング型」「ワイド型」だと効果ないって感じです。
この点は、純正スナップを付属して再販となれば嬉しいですね。
そして、実戦においてはスナップ着脱時の煩雑さやタイムロス。
毎回ストレスだしルアーチェンジを躊躇う瞬間も多々あります。
また、メタルバイブの中ではやや高めな価格。
”玉に瑕”なこれらの部分を承知の上で使用するしかありません。
スナップのセッティング
使いどころ
河川、河口、干潟など多くのフィールドで使える汎用性の高いモデルです。
シャローエリアであれば広範囲の広いレンジをカバーできるだけでなく、トラブルや疲労感も少ないのでデイゲームのランガンや回遊待ちにもおすすめ。
とくに、マズメ時などの短い時合いや中〜長距離のピン撃ちではクランビットならではのトラブルレス性能やレスポンスの良さを発揮できると思います。
2つのホールアイに多彩なテクニックを組み合わせることで、デイ・ナイト問わず様々なアプローチが楽しめるのもこのルアーの魅力でしょう。
おすすめ:河川/河口/干潟/港湾/サーフ
まとめ
というわけで、今回はゴートゥーナインの「クランビット(15g)」をご紹介しました。
スナップの選定と着脱が課題ですが、投げれば投げるほどそれを補ってあまりある使い心地とシームレスな釣りが展開できます。
使い慣れれば割り切れるので僕ははとても満足でした。
快適かつ自由なアプローチができるメタルバイブなら間違いなくイチオシですね。