通称”バグる”のシークレットメソッドで、2019年から東京湾のアングラーを中心に再ブレイクしたことが記憶に新しいこのルアー。
今回は、2013年にアピアからリリースされたシンキングミノー「バグラチオン」をご紹介します。
スペック
サイズ | 80mm |
ウエイト | 13g |
タイプ | シンキング |
レンジ | – |
フック | #6 |
リング | – |
特徴
現在はポジドライブガレージの代表も務めるレッド中村氏が、ジャークベイトをコンセプトに監修したのが「バグラチオン」。
平面ボディを活かしたドリフトやただ巻きでのローリングアクションと着水後のシミーフォールを得意とし、よく飛んでしっかりと泳ぐ基本性能の高さも兼備。
特筆すべきはジャーク時の平打ちアクションで、強烈なフラッシング効果を生む”激ギレ”ジャーク&トゥイッチは非常におすすめです。
また、安田ヒロキ氏による”バグる”メソッドでも再注目されたように、ナイトゲームにおける明暗のアプローチでは高い実績を持つ引き出しの多さも魅力で、シチュエーションにハマれば爆発力もあるジャークベイトと言えます。
ストラクチャー撃ちなどで起こりやすい強引なファイトにも対応できる#6フックながら、見切られにくい80mmの一口サイズで対ランカーシーバス用に効果的。
インプレ
「ビーフリーズ」や「X-80SW」といった名作が揃うジャークベイト界隈において、今なお実績を残し続けるのがバグラチオン。
筆者は、購入してわずか数投でランカーシーバスが釣れた衝撃的ルアーとして今も深く思い出に刻まれてます。
手に取ってみると、スタンダードな80mmサイズにしてはずっしりとくる重みがありますね。
遠投の際は振り子の要領で垂らしを長めに取っておくのがおすすめで、雑感で50m近く飛ぶのでオープンエリアでも充分通用する代物ではないでしょうか。
そして、肉厚で角度のあるリップと泳ぎだしの良い固定重心は荒れた港湾エリアを攻略するのにもぴったり。
巻いた感じはブルブルというよりもゴトゴトに近く、ラパラのCD7並にウォブリング要素の強いウォブンロールアクションが特徴。
着水後は少しラインを張った状態で落とすと綺麗にロールしながらシミーフォールしていくので、穴撃ちやシェード撃ちでのフォールで「ドン!」というパターンも非常にハマりました。
しかし、このルアーの白眉な点は、ただ巻きやフィネスなアプローチには一切反応しないような居着きシーバスに対する強さ。
あれこれ試しても無反応…。
最後の最後、半ば諦めつつもバグラチオンの悪あがきジャーク!
ジャーク!
ジャーク!
「ドンッ!!」
「!?」
もちろん、それでも出ない日もありますが、困った時ほどぜひ一度試して欲しいのがバグラチオンの”激ギレジャーク”。
この年はスズキが少なくチヌが多い年でしたが、それでもしっかりと結果を残してくれたルアーです。
良い点
見切られにくい一口サイズながら、強烈なウォブリングと平打ちアクションで誘えて飛距離も充分に出るのが特徴です。
また、荒れたフィールドでも安定した泳ぎで存在感を発揮し、レスポンスも及第点といったところで他の小型シャッドプラグでは難しい状況で投入できるのが強み。
食わせの間となるフォールを活かして、メリハリを効かせた誘う・食わせるを演出しやすいのも利点でしょう。
超攻撃的で特定のシチュエーションにもハメやすい
気になる点
同じカテゴリーのルアーと比べてアクションが強いのでスレが早く警戒されることが多いのが難点で、巻き感も重く疲れやすいので多投しにくいというデメリットがありますね。
ピン撃ちの際も重量感から柔らかめのロッドではアキュラシーが出しにくいのも気になったポイントで、サイドハンドやバックハンドキャストは意識して扱う方がいいかもしれません。
また、ジャークベイトにとって重要なボディの堅牢性ですが、過去に何度かぶつけてきたものの特に大きな損傷はないので耐久性はありそうです。
とりあえず筆者もまだまだ力量不足なので、こうした点はアングラー側で上手いことカバーできると思います。
快適さや操作性に劣る
使いどころ
港湾、河川、干潟をメインに小場所だけでなくオープンなフィールドでも足元から遠目のミドルレンジまで探れる汎用性がありハイシーズンの回遊シーバスにも効果的。
”バグる”メソッドと呼ばれる橋脚の明暗アプローチも得意としており、流速に合わせて明部→暗部へドリフトしながらの速巻きでリアクションバイトを狙いつつ、魚のレンジに合わせてロッドの高さや着水点を変えていくとさらに幅が広がります。
また、やや流れのあるダウンクロスからの連続ジャーク+フォールは強烈に平打ちするだけでなく、ラインが張って間髪入れずシミーフォールに移行しやすいので非常におすすめです。
個人的には時短釣行時やスーパーサブ的なパワープレイで使うことが多く、サクッと護岸撃ちをはじめ、反応がないときや深場にステイしている個体を引っ張り出したいときの最終手段で便利なのがバグラチオンですね。
おすすめエリア:港湾、河川、河口、干潟
まとめ
というわけで、今回はアピアの「バグラチオン」をご紹介しました。
数多のルアーの隙間を埋められるアクションや飛距離に加えて、ここぞでハマるシークレットメソッドを持ち合わせた稀有な存在。
これまで反応しなかった大型シーバスをさらに刺激するアイテムとして、ぜひ一度試してみてくださいね。