近年みられる釣り場の減少や激戦区でのスレたシーバス対策など、アングラーにとっては頭を悩ませる問題が多々ありますが、それでも変わらず信頼できるルアーはいつの時でも釣果をもたらしてくれるもの。
筆者の中ではもはや殿堂入りであり、もっと多くの人に使ってほしいルアーの一つです。
今回は、2008年にバレーヒルからリリースされたリップレスミノー「スーサン」をご紹介します。
スペック
サイズ | 75mm |
ウエイト | 7g |
タイプ | スローシンキング |
レンジ | 40〜50cm |
フック | #10 |
リング | #2 |
特徴
村岡昌憲氏の代表作の一つでもあり、発売から長年にわたって支持され続ける超定番の小型リップレスミノー。
最大の特徴は「ヤルキスパークリングサンダーローリングスペシャル」というウォブリングを極限まで抑えた超ローリング主体(ローリング99%:ウォブリング1%)のアクション。
ファスト〜ミディアムリトリーブでは左右へタイトにローリングし、スロー〜デッドスローではゆらゆらと弱ったベイトを演出。
ロッドワークにも柔軟に対応し、緩急様々な誘いでシーバスに違和感を与えることなくバイトへ帰結します。
インプレ
プレビュー
75mmのややスリムなボディの名作ルアー。
ローリングのフラつきを抑制する目的であらかじめラインアイにスプリットリング(#2)が装着されてます。
(外して使っても釣果に大差はないですが、気持ち後方へ重心が傾くのとラインアイが曲がりやすくなるのでこまめに調整が必要です。)
筆者もこれまでに200本以上このルアーでシーバスを釣らせてもらいました。
そして、釣れたシーバスを見つめながら「…結局スーサンかよ。」という言葉を吐き捨てては、独り多幸感に包まれ、気づけばまた再びスーサンを投じる、…そしてまた釣れる。
その理由は、スレにくいアクションと縦長ボディ+低重心設計から流れの変化に当たった際に起こるフラつきが大きなポイントではないかと思っています。
レビュー
飛距離はPE1号で35〜40m程度。
おまけに、軽いので風速5m以上ともなるときついです。
着水は非常に静かなので近距離戦においては警戒心を与えにくく、水平にフラフラとロールしながらスローに沈下。
泳ぎ出しはスムーズで、わずかなアクションと抵抗感が伝わる程度。
ただ巻き時は、スロー〜デッドスローが非常に良いアクションで泳ぎます。
水に馴染みやすい自然なアクションから不意に起こるフラつきが特徴で、ただ巻きのみでも狙った魚を食わせる力は非常に高いです。
また、トゥイッチもおすすめで、村岡さんも推奨している「もしもし亀よ〜亀さんよ〜♪」のリズムに合わせてロッドアクションを入れるとベイトが弱々しく逃げ惑うように左右に平打ち。
スローシンキングタイプなので、動きの合間の絶妙な浮遊感が”食わせの間”になります。
これが有名な「もしかめトゥイッチ」ですね。
その他にシェイクリトリーブやショートジャークもおすすめで、技のレパートリーがとにかく豊富なルアーなのでただ巻きで釣れないときこそぜひ試してみてください。
良い点
違和感を与えにくい水平姿勢にナチュラルなロールアクション、さらに技の多さが素晴らしく、比較的オールシーズン対応できデイ・ナイト問わず活躍します。
流れが効いたゾーンでもうまく水を受け流しながらレンジキープもしやすく、巻きスピードやロッド角度によってレンジを調節しやすいのも利点。(激流や早巻きすぎると水面を割ってしまします。)
レンジ、アクションなど食うであろうピンポイントへ何通りもアプローチできるのも強みと言えます。
抜群の操作性、ナチュラルアクション+水平姿勢
気になる点
移動重心式(ウェイトボール×1)とはいえ飛距離は期待できず、ラフな状況や足場の高いポイントにも不向きです。
また、コンパクトでシャローのピン撃ち向きですが、そこまで頑丈ではないので注意が必要。
さらに、ダウンクロスに滅法強いもののフックサイズが#10ということもあり大物とのやり取りはやや慎重に行いたいところです。
飛距離+汎用性
使いどころ
河川、干潟といったシャローエリア、ストラクチャーの多い小場所や30m圏内の魚を狙う際におすすめです。
ナイトゲームではただ巻き、デイゲームや明暗付近ではロッドアクションを中心に組み立てていくとより有効で、近〜中距離戦がメインのアングラーやスレ対策として表層〜中層のリップレスを探している人にもハマりそうです。
また、アピール力の弱さを補うため、着水後に数回大きめにトゥイッチを入れるとシーバスにルアーを気づいてもらいやすくなります。
ちなみに、開発者の村岡さんも「(スーサンは)どう動かしても釣れる動き」と仰るほど食わせる力はトップクラスで、様々なアクションで楽しめるのもスーサンの魅力ではないでしょうか。
おすすめ:河川/干潟
まとめ
というわけで、今回はバレーヒルのリップレスミノー「スーサン」をご紹介しました。
抜群の食わせ力と操作性を活かした、遊び心をくすぐるようなシャローのスレ対策リップレス。
やや使い所が限られるルアーですが、使うほどにそのポテンシャルの高さを発揮してくれる奥深い魅力があります。