【ワイロー109F】インプレ/高レスポンスと純強波動ロール

ミノー

今もなお一定数のアングラーから支持を集める廃盤ルアー。

シャローランナーといえば新陳代謝の早いカテゴリーで、本当に、あっという間に消えたルアーってのはめちゃくちゃ稀有な存在だと思うのです。

そこで、今回は2015年にシマノからリリースされたフローティングミノー「エクスセンス ワイロー109F」をご紹介します。

スペック

サイズ109mm
ウエイト15g
タイプスローフローティング
レンジ0〜30cm
フック#5
リング

特徴

シマノのシーバスブランド「エクスセンス」より当時発売された「ワイロー109F」。

名前の由来となったワイドローリング設計が最大の特徴で、水面直下をほぼロールアクションで泳ぐ個性的なシャローランナーです。

リップによる強い水押しとフラットサイドボディは、低速でもしっかりアクションしながらフラッシング効果を発揮。

また、「X AR-C」技術による高浮力設計は圧倒的な泳ぎ出しの良さと平均48mの飛距離を維持。

大型にも安心な#5フックを2本搭載し、シャローエリアの様々な場所で活躍できるローリングシャローランナーです。

インプレ

シマノでは同カテゴリーのルアーに比べると人気が出なかったですが、実際に使ってみると釣果も出て飛距離以外は悪くない印象でした。

まず、シルエットはボディ側面がフラットになっており、リップの向きやアイの位置がかなり低く付いてます。

15gで比較的どんなタックルにも合いやすく、誰でも軽快にキャストできるのも良いところ。

着水後はウェイトが自動で戻り、巻き出しからのレスポンスはかなり優秀です。

また、ローリングながら水押しの強さは抜群でかなり手元に伝わるのが印象的でした。

”109mmの強烈なワイドローリングアクション”という個性を持ったルアーですが、いかんせんシマノ製のわりに飛距離が無いところが愛好者にハマりにくかったのでしょうか。

アクション的には、「ゴリアテハイ」はタイトピッチロール、「レスポンダー」はやや弱めのワイドウォブンロールという点で差別化できるものの、それぞれ復刻したりサイズバリエーションが発表されていくなか、さらに’24年に「モニカ」も登場したことで当時の廃盤も頷けます。

基本はスローなアプローチが向いてますが、リトリーブ速度を上げればウォブリング要素が足されてダイナミックなウォブンロールへと変化しますね。

今では入手が難しくなったルアーですが、河川や河口でドリフトを多用する人には使い道があるかもしれません。

良い点

ワイローの良さは見切られにくい水平姿勢ながら強いロールアクションでフラッシング効果も高い点ですが、それに加えて低速からレスポンス良くアクションするところ。

スロー〜デッドスローでも手元に充分なアクションが伝わり、ライン先行のドリフトには非常に向いています。

また、水噛みの良いリップにより緩慢な流れでもレンジが入り、トゥイッチを入れた平打ちアクションも有効でした。

ただ、連続するとテーリングしやすいのでアクセントとして入れるのが効果的です。

高レスポンスと安定した強波動ロール

気になる点

X AR-C搭載の109mmスケールながら平均飛距離は48mで、食わせミノーとしても中途半端な立ち位置だったのが人気低迷の大きな要因。

もちろん、風の影響もそこそこ受けやすいので用途が限られるのも残念な点。

筆者も実際に使ってみて飛距離に不満を感じましたが、キャスト自体はしやすいのでアキュラシーや安定感はあります。

値段もかなり高く設定されていましたが、今では安価で売られていることも多く、筆者もセールでなければ買うことはなかったです。

かなり狭く尖った性能のルアーなので、使い道が明確なら欲しいと感じることもあるかもしれません。

飛距離と汎用性

使いどころ

河川、河口、干潟といった小〜中規模のシャローエリアを中心に、プロデュースした嶋田仁正氏のようにウェーディングでの使用もおすすめです。

とくに流れのある状況でも強くアピールできるため、届いて流し込めるポイントでは先発で様子を見たり、スレやボトムに沈んだ個体を強波動やフラッシングでリアクション的に引っ張り出す際にも有効です。

水質がクリアな状況やウォブリングに反応しないときなどなど、比較的タフな状況で投入できるのも強みです。

筆者も同じようなポイントで使っていますが、ある程度大きいベイトが差している時期でしか釣果を出せてないのでもう少し実戦で使っていこうと思います。

おすすめ:河川/河口/干潟

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まとめ

というわけで、今回はシマノの「エクスセンス ワイロー109F」をご紹介しました。

万人受けするような汎用性やショアキャスティングで重要な飛距離で劣るため、激戦区のシャローランナーではその個性が埋もれてしまった印象です。

それでも、アクションやレスポンスは素晴らしいので、明確な用途や他者とは違ったルアーを使ってみたい人には需要のあるルアーかもしれません。