身近な河川や運河などでも釣果を上げることができ、そのゲーム性の高さで人気のシーバスルアーフィッシング。
ときには驚くような場所に大物が潜んでいるのも醍醐味の一つですね。
なかでも、とくにゲーム性が高いのが「壁撃ち」と呼ばれるストラクチャーに着いたシーバスを狙う方法。
今回は、そんな身近な場所にある護岸や岸壁、あるいは堤防などに着いたシーバスを攻略するためのポイントをご紹介していきます。
壁撃ちの利点
初心者にとってはあまり馴染みのないアプローチ方法ですが、壁撃ちには以下のような様々なメリットがあり、コツを掴みさえすればわりと簡単にシーバスを釣ることができるおすすめの攻略法でもあります。
アクセスしやすい
市街地の都市型河川や港湾の護岸周りなどは比較的整備された場所が多くアクセスしやすい利点があります。
こうした場所は陸っぱりから狙えて足場も良く、体力の消費が激しい真夏のデイゲームや仕事終わりなど軽装でサクッと釣りたいときにも非常におすすめ。
ただ、ポイントによっては釣り禁止やライフジャケットが必要な場所もあるため、充分に調べた上で周りに配慮した釣行が大切ですね。
ポイントに入りやすい
近年ではネットの情報を頼りにアングラーが集まりやすい傾向で、人気スポットになれば連日のように人がいることも多々あります。
そういった場所では堤防の先端や橋脚周辺などから沖や流心へ向かってキャストしている人がほとんどですが、足元の壁やシェード際を狙っている人は意外と少なくどこからでも狙えるため、人気のポイントに入れなかったとしても釣果を上げやすいでしょう。
また、自分だけの穴場になりやすく、最初はランガンしながら良さそうなポイントを探っていくのもおすすめです。
釣果が安定しやすい
ハイシーズンの回遊シーバス狙いであれば簡単に食わせることができますが、年間を通してシーバスを釣りたい場合は釣果が安定しにくいのがデメリットです。
また、デイゲームで釣果を出すのが苦手という人も多いかもしれませんが、壁撃ちの知識やテクニックを身につけるだけで大幅に釣果が安定するので、回遊を逃しても潰しが効きやすいのも大きなメリットでしょう。
高いゲーム性
デイゲームの壁撃ちはシーバスとの距離が近く水面付近で食ってくることも多いので、非常にスリリングでゲーム性が高いのも魅力の一つと言えるでしょう。
シーバスと1対1状況でいかに口を使わせるかを工夫したり、思わぬ場所からの唐突なバイトはかなりやり込み要素が多いです。
実績や回遊ポイントと併せ、保険となるポイントとして押さえておくと便利なのでぜひ参考にしてみてください。
おすすめのポイントとシーズン
基本的に日中はボトムのストラクチャーや暗い場所に着いている個体が多く、壁撃ちの場合はほぼこうした居着きシーバスを狙うことになります。
回遊系よりもルアーに耐性のあるシーバスが多く、簡単なウォブリングアクションでは食ってこない個体もいますが、ポイントさえ絞ればルアーに気づいてもらいやすいため工夫次第で食わせることが可能です。
ポイントや時期としては以下のような状況がおすすめで、日陰側にあたる影(シェード)のある壁際でベイトがいればシーバスが着いている可能性が高いです。
- 春〜晩秋
- 影(シェード)がある
- ベイトがいる
- 流れ+濁りがある
- 最干潮
- 潮や波があたっている
- 地形や構造物に変化がある
筆者の経験上、これらの要素が複合的に重なっているとデイゲームでも安定して釣りやすいです。
壁撃ちの場合、太陽が高くなる真昼は影が伸びにくいので、港湾のディープエリアや穴撃ちなどに移行もアリです。
また、消波ブロックが点在する場所や護岸の凹凸、堤防の継ぎ目など、ちょっとしたストラクチャーになりそうなポイントにもシーバスが着きやすいので細かいところにも着目しながら撃ってみてください。
通いこむとさらにポイントを絞りやすくなるので、どのへんでバイトやチェイスがあったかなどを覚えておくとさらに効率的です。
アプローチ法
使用するロッドは9ft以下で2500〜4000番台の軽めのリールがおすすめです。
ルアーは小型のジャークベイト(ビーフリーズ、X-80SWなど)やバイブレーション、ジグヘッドワームなどが一般的ですが、サイズアップを狙う場合はベイトタックルでのビッグベイトも効果的です。
ポイントに到着したら、なるべく人影や挙動などは消しながらポイントに立つことが重要で、デイゲームはシーバスからもアングラーの動きが見えやすいので足場が低い場所ではとくに注意しながらキャストしていきましょう。
壁撃ちのアプローチ方法ですが、ルアーが流れに逆らうように壁ギリギリを平行にトレースするのがポイント。
あわせて、日向より影(シェード)の中にルアーが入っているだけでも警戒心の高いシーバスにとっては大きなアドバンテージとなりバイトしやすい状況になります。
また、ベイエリアやオープンエリアなどは一見すると流れがないように見えますが、じっくり見ると必ず僅かな流れがあるのでポイントに着いたら丁寧に観察してみましょう。
アクションはただ巻き、トゥイッチ、ダートなど、様々な方法でアプローチしてみるのがおすすめです。
壁撃ちは、基本どのような状況でも正確なキャスト技術が求められるため、バックハンドやアンダーハンドでのキャストも大きな強みになりますが、コントロールに自信の無い人はテクトロ方式でルアーを落としてから必要な距離をトレースするのもアリです。
ただし、風の強い日やアングラーが多いポイントでは危険なので避けるようにしましょう。
デイゲームの壁撃ちは、ナイトゲームの常夜灯下や光量の多いポイントでも応用できるのでいざという時にも非常に役立つ方法です。
釣果アップの+α
執着しない
繊細さとゲーム性の高さが魅力な壁撃ちですが、ルアーに耐性のある居着きシーバスを相手にするのが一つの難点で、2〜3回同じコースをトレースしても反応がなければ見切ったほうが得策です。
投げ続けていたり少し時間を置けば稀にバイトしてくることもありますが、あまり執着せず他のコースをランガンしていくのが効率的ですね。
筆者の経験では、「チェイスから見切られ反転=ほぼ可能性なし」「ミスバイト=再度食ってくる可能性大」という感じで、リーリング後ルアーが水面を出る最後までチェックしておくとさらに釣果がアップするはずです。
ミスは避ける
警戒心の高いシーバスを釣る場合、1回のキャストミスや安易なキャストで釣れた魚を逃してしまうケースも多々あります。
かくいう筆者も護岸から離れたところへミスキャストしたり、壁際ギリギリを狙いすぎて根掛かりしたりという経験も多々やらかしましたが、こうしたミスを避けるべく1投1投丁寧に探っていく集中力の維持もとても大切です。
おすすめルアー
ラッキークラフト「ビーフリーズ78S」
サイズ | 78mm |
ウエイト | 10.2g |
タイプ | シンキング |
レンジ | 1〜1.2m |
フック | #6 |
リング | – |
巻いても動かしても使えるビーフリーズは港湾部で無類の強さを発揮する人気名作ルアー。
フックは#6を採用しているため足元で食ってきた大物にも難なく対応し、壁にぶつけてもちょっとやそっとでは壊れない頑丈さもおすすめな点です。
また、カラーバリエーションも豊富であらゆる店舗で入手しやすいルアーでもあります。
ブルーブルー「クミホン70S」
サイズ | 70mm |
ウエイト | 9g |
タイプ | シンキング |
レンジ | 0.5〜1m |
フック | #8 |
リング | #3 |
小さいシルエットを活かした見切られにくさはデイゲームでも強みになる小型シャッドプラグ。
ファストからスローまで幅広いリトリーブ速度に追従し、トゥイッチを織り交ぜながら岸壁の際どいコースをトレース可能でフックが絡みにくいトラブルレス設計な点も特徴です。
ダイワ「ミニエント57S」
サイズ | 57mm |
ウエイト | 11.5g |
タイプ | シンキング |
レンジ | – |
フック | #10 |
リング | – |
ただ巻きだけでなく上下左右の動きで誘う「3Dダート」が魅力の変幻自在なバイブレーションプラグ。
ときにはトゥイッチやシェイクなども有効で、多様なアクションを演出可能ながら誰でも快適に使える仕様になっています。
ベイトが小さい春先からオールシーズン使える汎用性の高さも売りです。
コアマン「アルカリ」
60mm | 8本入り |
70mm | 8本入り |
83mm | 6本入り |
岸壁に着いたシーバスにも高い実績を持つコアマンの定番ワーム。
ナチュラルな波動がスレたシーバスにも有効で、ボトムを足元まで丁寧に探りたいときにもおすすめです。
状況に合わせた3つのサイズラインナップがあり、同メーカーのPH(パワーヘッド)やADH(アルカリダートヘッド)と組み合わせながらストラクチャー際をタイトに攻略可能です。
まとめ
というわけで、今回は壁撃ちにおけるデイシーバス攻略法をご紹介しました。
これまで苦手としていたデイゲームでも安定した釣果を出せる方法で、アクセスのしやすさも魅力の一つと言えますね。
ぜひ、見落としがちな釣り場があれば積極的に狙ってみてはいかがでしょうか。