【ピース80S】インプレ/ミドルレンジを埋める万能ピース

シンキングペンシル

昨今では多くのルアーが発売されては消えてゆく中、時代のニーズに合わせた商品を開発することはメーカーにとっても必要不可欠なこと。

そんな中、フルモデルチェンジによって大きく生まれ変わった稀有なルアーも存在します。

そこで、今回は2014年にアイマからリリースされたシンキングペンシル「ピース80S」をご紹介します。

スペック

サイズ80mm
ウエイト15g
タイプシンキング
レンジ40〜70cm
フック#6
リング#3

特徴

アムズデザイン(アイマ)の中でも数少ないリップ付きシンキングペンシルとして根強い人気を集める「ピース80S」。

「ピース100」のダウンサイジングモデルとして発売され、ノーマルモデル顔負けの飛距離と引き抵抗の良さで表層を攻略可能。

スローリトリーブやドリフトに適したシンペンらしいスラロームアクションにレンジキープ力が加わり、小型ベイトパターンや低活性時、ラフコンディション時の強い味方となります。

インプレ

前身となるスローフローティングタイプのミノー「ピース80」から転生を果たしたのが「ピース80S」。

ミノー時代からは前後のバランサー搭載やボディのスリム化による4gのウェイトUP。

そして可変アクションから「ピース100」を踏襲したシンペンらしいスラロームアクションなどの変化がありますね。

筆者は、見た目のフォルムに惹かれたのと広いレンジをアプローチできることから購入。

台形のようなフラットリップは厚めになっており、この80Sはシリーズの中でも少しファットな印象を受けます。

飛距離に関しては、空気抵抗を受けやすくPE1号で50m程度。投げやすいけど天候によって左右されやすいのがネックです。

着水後は、スロー気味に沈下し水平または尻下がりでシミーフォール。

泳ぎ出しは優秀で、固定重心+リップにより即座にアクションへと移行。

アクションは、やや尻下がり姿勢のスラローム+タイトテールスイング。

リトリーブ速度を上げることでアクションがワイドになる印象ですが、基本的にはスローなアプローチがハマりやすいです。

ロッドポジションやリトリーブ速度によって、表記以上にかなり広いレンジをカバーできるのも強みでしょう。

こちらは、ハクパターン時に河川のブレイクを狙ったドリフトでした。

表層で反応がなくなったので一枚下を通したときにヒット。

急な流れの変化にあたってもレンジキープしてくれるので、情報の少ないナイトゲームや不慣れなポイントでは非常にありがたい存在です。

良い点

ナチュラルに誘えるだけでなく、適度な抵抗感と浮き上がりを抑えたミノーライクさを兼ね備えたシンペンです。

とくに着水以降は立ち上がりも含めて非常に使いやすく、通常のシンペンに比べてレンジを維持しやすいので多少のロッドポジションやリトリーブのズレに影響されにくいのも魅力。

くわえて、シャローエリアでは表層〜ボトムまで広範囲をカバーできるため、汎用性の高い80mmサイズがあるだけでシーズンやフィールドを問わないのも特徴といえます。

アクセントとしてロッドアクションを入れることで、アピール力の少なさをカバーしたり食わせのキッカケにもなるのでおすすめです。

レンジの広さとキープ力

気になる点

同サイズのシンペンに比べると飛距離は標準クラスですが、ラフな状況で安定しにくいのが少し残念でした。

シャローエリアでの使用に関しても、浮き上がりが抑えられている分ピックアップもやや手前になるので根掛かりに注意です。

また、少しファットになってるボディ側面は傷を受けやすく塗装が剥がれやすいですね。

ただ、これが”味”になってくるので人によりけりです。

飛距離の安定性

使いどころ

河川、河口、干潟、港湾など、小〜中規模シャローエリアを中心に比較的多くのフィールドにマッチしやすいです。

とくに、シャローランナーやバイブレーションでは攻略しにくいミドルレンジの”ピース”になるだけでなく、ただ巻きだけで使いやすい仕様なのでビギナーに非常におすすめ。

ロッドやリトリーブの変化でレンジも細かく刻んでいけるので効率的なアプローチもしやすく、使い方次第でかなり化けるルアーです。

風の強いタイミングを避けることで長所を活かしやすく、レンジやアクションにシビアな春〜初夏のハク、アミパターンを中心に年間通して使うのも良きです。

おすすめ:河川/河口/干潟/港湾

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まとめ

というわけで、今回はアイマの「ピース80S」をご紹介しました。

文字通り、手持ちのルアーの穴を埋めるラストピースとなるだけの特徴を持った優れたリップ付きシンペン。

とくにシャローエリアにおける中層攻略を何とかしたい人にはおすすめで、決して目立つルアーではないもののレンジを突き詰めていくことでさらに多くの魚にコンタクトできる味わい深さがあります。