昨今のスレたシーバスに対して有効とされるスリム系ミノー。
各メーカーから多くのラインナップが展開されているなかメガバスからも新たな次世代ルアーが登場。
今回は、2021年にメガバスからリリースされたミノー「空海(クーカイ)スリム120」をご紹介します。
スペック
サイズ | 122mm |
ウエイト | 12g |
タイプ | スローフローティング |
レンジ | – |
フック | #6 |
リング | – |
特徴
同社のitoエンジニアリング部門よりラインナップされた「X-120SW」をさらに進化させた次世代スリム系ミノー。
特筆すべきは、12gながら超高比重タングステンウエイトボールを搭載した3連重心移動システムによる圧倒的な飛距離で、軽量な細身ルアーとしてはトップクラスのキャスタビリティを誇ります。
極限まで削ぎ落としたボディと極小チップビルによるタイトピッチロールアクション、そして3フック仕様によりタフコンディション下で食い渋るシーバスを確実にキャッチする食わせのミノーとしても秀逸。
荒天時でもタフな状況でも安定した飛行性能とナチュラルアクションで釣り場や使い手を選ばないバーサタイルさも大きな魅力でしょう。
インプレ
感想としては、非常に使いやすくて良いルアーです。
バチ用ルアーと見紛うほど見た目はX-120SWと変わらないものの、ウエイトボールが増したことで格段に飛距離がアップし、キャストの抜けも良いのでブレることなく真っ直ぐ飛行していくのも魅力。
マリンギャング空海120にはやや劣るもの、12gでこれだけ飛ぶミノーは控えめに言ってもトップクラスでしょう。
着水後は軽いアクションで重心が戻り、リーリング中は程よい抵抗感を感じながらストレスなく引き続けられます。
50cm前後のレンジをロール成分の多い滑らかなウォブンロールでアピールし、スローになるほど水面直下をウォブリングを消した微波動ローリングアクションで誘えます。
無論、ストップ&ゴーやジャーキングに対するレスポンスも良好で、これも抵抗感なくキレのあるダートで絶妙な間を作り出せる。
飛距離もありながら表層中心に攻めることができるため、筆者のエリアではシーバス以外にも青物が好反応でした。
良い点
安定した飛距離にくわえて空気抵抗の少なさも空海スリムの特徴で、12gのルアーながら風速5〜6m程度くらいの荒天なら充分使えます。
また、ヘッドのチップビルとスローフローティング設計もこのルアーならではの魅力だと感じていて、リトリーブ誤差や流速変化によるレンジのズレを抑制し、より水に馴染みやすいベイトを演出できるのも特徴でしょう。
使うエリアの塩分濃度によってはサスペンドにもなるため、ドリフトでは低活性の個体にも違和感を与えにくく、ジャーキング時は絶妙な浮遊感による食わせのタイミングを作れるなどの良さも発揮します。
これにくわえて軽量でフラつきも起きやすいので、スレたシーバスに対してはかなり優秀なミノー。
スリム系の真骨頂ともいえる食わせ力に飛距離を兼ね備えたことで誰でも快適に使える一本です。
高次元の食わせと飛行性能。
気になる点
筆者は過去にマリンギャングやX-80SWなどメガバスルアーをたくさん壊してきた経験から察するに、おそらく空海スリムもその例に漏れないかと感じてます。
幸いまだこのルアーを破損してはないですが、見た目やウエイトからして薄い仕上がり。
堅牢性がなさそうなのでいつか壊す日が来るかもしれません。
また、性質上ロストはしにくいものの少し高価なので安く買えるタイミングがあればという感じでしょうか。
取り扱い注意
使いどころ
足場さえ高くなければ河川や干潟をメインにあらゆるポイントで使える汎用性の高さがあり、年間通して活躍が見込めるルアー。
夏のサヨリパターンでの実績が高いですが、個人的には冬のイワシパターンもおすすめで低活性なシーズンでもナチュラルにアプローチしながら、ときにはジャークで広範囲をサーチという感じで攻めていくのがおすすめです。
アピール力ではスタンダードミノーに劣るので、同シリーズのマリンギャング空海120などと併用しながら攻略していくのも効率的。
おすすめ:河川/河口/干潟/港湾/サーフ/磯
まとめ
というわけで、今回はメガバスの「空海スリム120」をご紹介しました。
飛ぶスリムミノーとして遠くの低活性シーバスにも最適な一本で、薄く仕上げたスリムボディに技術を詰め込んだからこそできる高い食わせ力と飛距離が売りのミノー。
筆者も実際に使ってみて、非常に快適で釣果も良いので今後も長らく使っていこうと思ってます。