「ガルバ」といえば、その実績の高さから今や定番となったリップ付きシンキングペンシルの一つ。
ファットな見た目が印象的ですが、実は細身のガルバも存在し、春先などのバチやマイクロベイトパターンにマッチさせることでさらに攻略の幅を広げたシリーズとなりました。
そこで、今回は2018年にダイワからリリースされたシンキングペンシル「モアザン ガルバスリム80S」をご紹介します。
スペック
サイズ | 80mm |
ウエイト | 10g |
タイプ | シンキング |
レンジ | 0〜20cm |
フック | #10 |
リング | #2 |
特徴
ガルバシリーズをはじめ様々な人気ルアーをプロデュースする大野ゆうき氏が監修した今回の「ガルバスリム80S」は、従来の形から大幅にスリム化したリップ付き細身シンキングペンシル。
通常のシンキングペンシルでは食わないセレクティブな状況下に強く、ヘッドのリップを活かした表層をゆっくり引けるレンジキープ力とナチュラルなスイングアクションが特徴。
わずか10gながらシリーズ初の重心移動システム採用によって充分な飛距離を確保し、着水後も泳ぎだしの良さから特定のレンジへスムーズに浮上していきます。
バチやマイクロベイトパターンにありがちなシーバスの軽いバイトもしっかり刺さる細軸の#10フックを搭載しつつ、豊富なカラーラインナップによって釣り場のシーンに合わせた選択が可能な一本。
インプレ
最初は「めっちゃ痩せたし軽いなあ…」って印象。
飛ぶんだろうか?とか、釣れるのか?的な疑問はさておき気になるので早速購入してみることに。
当然、ライトでフィネス寄りのタックルに向いていてキャストした感じは悪くないですね。表記通り50m〜60mくらいは飛びます。
着水後はローリングしながらゆっくりフォール。
巻けばリップが水を掴んですぐに泳ぎ出します。
従来のモデルと同じく尻下がり姿勢で浮上していきますが、アクションはガルバよりもかなりタイトな幅でローリング+スイングアクションしていてリトリーブ速度に比例してレンジやピッチも変化しますね。
トップウォータープラグとして使うこともできますが、あくまでメインはただ巻きやドリフトでのアプローチでしょう。
良い点
スリムでライトになっても重心移動によって想像以上に飛距離が出ます。
あくまでこのカテゴリーのルアーで比較すればの話だけれど、まっすぐ姿勢良くキャストできれば中規模エリアまでなら充分対応可能。
また、ガルバ同様にリップ効果で根がかりしにくいのも助かりました。
つい巻き感が欲しくて流れに逆らったり切るようにトレースしてくるよりも、アップからドリフトで同調させた方が良く、水を掴む力もあるので他のルアーで水を割ってしまうときに重宝するはずです。
飛んで激浅ポイントを引ける小型スリムシンペン
気になる点
「ガルバ73S」より2.8g 軽いものの、揚力が減ったぶん従来モデルよりもレンジキープが難しいですね。水を受ける面積も小さいので抵抗感から伝わる情報量もかなり減ってます。
また、やや尻下がりなのでべた凪だと見切られやすいのか、程よく波立った状況くらいが一番バイト率が高く効果的かもしれません。
とはいえ、逆風や横風には弱いので風速3m以下くらいで使うのがおすすめで、アピール力も弱いのでサブ的な立ち回りが多くなりがちです。
中〜上級者向けルアー
使いどころ
ほどよく流れの効いた小さめの河川や河口、干潟での使用に向いていて、小型のベイトフィッシュやバチ、マイクロベイトパターンに加えて、ボイル中に食わない、他のルアーで反応がないときや水面を割ってしまうときにおすすめです。
水面直下のレンジキープ力に加え飛距離もそこそこあるので手前のブレイクや明暗をドリフトさせながら刻みつつ、瞬間的にトゥイッチを入れてリアクションバイトを狙うなどなど。
一定のレンジを泳ぎやすいだけにアングラー側での意図的な”変化”も重要で、泳ぎのピッチを変えずレンジを下げたいときや水面が荒れ気味、あるいはルアーが水面を割ってしまうときはロッドを下げるなどの工夫も大切ですね。
筆者の場合、ライン先行のドリフトが最もハマりましたが、シビアな状況で使うことが多かったので最後の一捻りばかりでサイズが出せなかったのは実力不足でした…。
おすすめエリア:河川、河口、干潟
まとめ
というわけで、今回はダイワの「モアザン ガルバスリム80S」をご紹介しました。
良いルアーだけど”使い所”と”使い方”が難しい…。
そんな、細身のシンペンにありがちな印象を受けたルアーです。
それだけに、シャロー向けのスリムシンペンを探している人はもちろん、ドリフトを多用したりフィネスに寄せて緻密に丁寧に釣っていくスタイルの人におすすめしたい一本です。