発売以来、そのぶっ飛び性能を遺憾なく発揮し一躍シンキングペンシルの王道となった「スイッチヒッター」。
近年はスタンダードな85Sを軸に、各サイズで様々なリニューアルモデルも登場しました。
そして、中でもとりわけ可能性を感じてしまうロマン砲。
今回は、2019年にダイワからリリースされたシンキングペンシル「モアザン スイッチヒッター120S+R」をご紹介します。
スペック
サイズ | 120mm |
ウエイト | 30g |
タイプ | シンキング |
レンジ | 20cm〜80cm |
フック | #6 |
リング | #3 |
特徴
シーバスフィッシングのプロ・小沼正弥氏監修のスイッチヒッターは、「飛んで、良く泳いで、激流に強いシンキングペンシル」として、シーバスルアーの中でも定番に挙げられるほど高い実績を誇るシリーズ。
120S+Rは、新たにダイワの重心移動機構「MAGLOCK+Rシステム」を採用。
マグロックシステムにウェイトリバースアシスト機能をプラスしたことで、最大80mオーバーの遠投も可能ながら、旧モデルの120Sから立ち上がりの良さも大幅に向上しました。
加えて、ボーン素材の採用とアイを横向きにしたことで従来のアクションや水平姿勢も保たれ、流れの変化で起こる不規則なワイドスラロームにより遠くにステイするスレた個体やランカーシーバスをも射程に収めることも可能。
フックサイズも#6へと変わり3つ搭載し、大型シーバスの貴重なバイトを逃さずにフッキングしてくれる秋〜冬にかけての強い味方です。
インプレ
スイッチヒッターシリーズの中でも、中〜大型ベイトパターン時に有効なモデル。
そんな120S+Rはスイッチヒッターの中でもやや扱いにくいタイプですが、シリーズの中でも数少ない重心移動式タイプ。
投げる時はオーバーキャストでフォロースルー時にティップがブレなければ姿勢良く飛んでくれて、その際に「カチッ」と磁石の音がすれば多少風があっても70mは安定して出ます。
そして、着水後はウェイトリバースアシスト機能(バネの力)ですでに重心が戻っているので、余計な手間が省けるのも良いところでした。
フォール時はローリングでゆっくりと沈下し、泳ぎのアクションは85Sと比べればスローピッチで幅もかなり大きいスラロームになります。
ボーン素材で沈みにくく浮き上がりやすいので、見た目の割に緩慢な流れに当てたりシャローをゆっくり通すことも可能ですね。
筆者的にはとても思い出深いルアーで、初めて70UPを出してくれたのもスイッチヒッター120。
その他ランカーサイズも含めて、確率は少ないながらも基本60以上のスズキサイズが釣れるので遠距離戦の大型狙いにはかなりおすすめです。
良い点
遠くへ飛んで不規則なリズムで食わせの間を演出できるのがスイッチヒッターシリーズの良いところ。
とくに120S+Rは、重心移動式ながら立ち上がりが向上したことで強風下においても余計なロッドアクションが省けるのはかなりありがたいです。
そして、フォール中のローリングアクションでゆっくりと誘うこともできるため、ここでバイトが出ることも意外と多く、3フックなのでフッキングさえすればバラシもかなり少ないですね。
そしてアップでのドリフトはもちろん、流れの緩い潮止まりの時間帯はデッドスローでのアプローチが非常におすすめ。
ゆったりと泳がせつつ、僅かな流れや波の影響で「ふわっ」と浮き上がった緩急で誘うのもかなり効果的です。
ジグやぶっ飛び系シンペンにありがちな「沈みやすい」「尻下がり」といった特徴を排除した見切られにくさからシャローエリアでも使いやすい食わせ能力も備えたルアーといえますね。
総合力の高い対ランカー用シンペン
気になる点
ボーン素材から沈みにくく巻けば浮き上がりやすいため、足場の高いところやディープエリアではやや不向きな印象。
120mmの30gシンペンというスケール感に惑わされず、あくまでシャローエリアや表層の攻略に絞った使い方で投入するのがおすすめです。
また、そのサイズやウェイトに加えてリーリング中のドリフトやデッドスロー時は手元に挙動が伝わりにくいので、初心者が使いこなすには難しいルアーになります。
遠投して手返しも悪く時間も消費しやすいので、反応がなければ早めにルアーチェンジするのもいいかもしれません。
飛距離は落ちるものの安定した釣果や投げやすさを重視するなら「スイッチヒッター105S」、さらに小規模かつ浅いポイントでは「スイッチヒッター85S-LV」が有利でしょう。
汎用的なMLロッドではやや飛距離が出しにくい(M〜MHロッドがおすすめ)
使いどころ
干潟や河川、河口、サーフなどのオープンなエリアであればかなり特性を活かしやすく、離れた橋脚の明暗や潮目を狙う際も効果的です。
秋〜冬にありがちな荒れた状況下での大型狙いにはとくにおすすめで、小さめのコノシロや落ち鮎、イワシ、サッパ、ボトムなら大きめのハゼを捕食するターゲットを想定した使用がおすすめ。
また、監修の小沼さん曰く「濁りが少ないクリアな状況で効く」とのこと。
筆者も、実際に激戦区の上げ潮が絡んだ中からでもしっかりランカーが釣れました。
シビアなシーバスに対しては、ロッドを下げ気味にしてより水平姿勢を意識すれば見切られずにバイトに持ち込みやすいのでおすすめです。
カラーラインナップは豊富ですが、フォール時のローリングでもバイトが出やすいので側面と下部がコントラストになっている「カタクチレッドベリー」「パールオレンジベリー」「マットライムピンクベリー」などが良いです。
おすすめエリア:干潟、河川、河口、サーフ
まとめ
というわけで、今回はダイワの「モアザン スイッチヒッター120S+R」をご紹介しました。
シリーズの特徴やその見た目から飛距離やスケール感といったイメージを持たれがちですが、ブラッシュアップしたことで立ち上がりの良さが向上したのはもちろん、アップで流してもスローに漂わせても水平姿勢を維持しながらしっかりアクションしてくれるところも見逃せないポイントです。
シャローエリアのランカー攻略に打ってつけのシンペンとして、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。