いわゆる”名作ルアー”と呼ばれるものほど人気を集め、常に品薄状態からなかなか手に入らないのはよくあることですね。
そんな人気の一角を占める「シリテンバイブ」は、サイズを問わずもう一本釣りたいときの”締めのバイブ”として高い実釣性能が持ち味です。
そこで、今回はマドネスからリリースされたバイブレーション「シリテンバイブ53」をご紹介します。
スペック
サイズ | 53mm |
ウエイト | 8.5g |
タイプ | シンキング |
レンジ | – |
フック | #10 |
リング | – |
特徴
「スイッチヒッター」や「セットアッパー」など、これまで多くのルアーを手掛けた”オヌマン”こと小沼正弥氏が監修した名作バイブレーション。
斬新なシリコン素材によるソリッドボディとレーザーカット貫通ワイヤーによる「生物的でなめまかしいライブアクション」が魅力。
マイクロベイトを追求したマッチザベイトのサイズ感でセレクティブなシーバスに口を使わせ、メタル系やプラグ系にはないサイレント性とマイルドな波動でシーバスはもちろんロックフィッシュやトラウトにも実績のある究極のバイブレーションです。
インプレ
マイクロサイズ&シリコン製という稀有な特徴で長年愛され続けるマドネスの「シリテンバイブ53」。
この53に関しては、小沼さんも4桁以上釣ったと豪語するほどの溺愛モデル。
いわゆる”釣れるルアー”として、タックルボックスに一つは持っておきたいと感じる人も多いかも知れません。
筆者もそんな人気シリーズを今回改めて使用することに。
表面はシリコンながらヘッドからテールまでワイヤーが通った芯のあるボディになっており、「レンジバイブ」に似たヘッドは水を押す面積もしっかりと確保されています。
飛距離は、汎用性の高いPE1号で40m程度。
一般的な汎用バイブレーションに比べれば劣りますが、この見た目にしては想像以上でウェイトや抵抗感も少ないぶんキャストスピードもつきます。
着水からフォールまではやや前傾姿勢でスムーズに沈下。
ここで敢えて派手な動きをしないのも個人的には嬉しいポイントです。
巻き出しから伝わるややハイピッチなタイトアクションとシリコンならではのマイルドな波動。
ここにシリテンバイブならではの真骨頂が感じられます。
水中でのサイレント性云々に関しては不明でしたが、実際に手に取ってみるとボディとフックの干渉音はかなり少なくリングとフックの音のみがわずかに聞こえる程度。
シーバスは側線で音の振動を敏感に感じ取れるため、特定の状況下においては非常に重要なポイントでしょう。
メインとなるただ巻きでは速巻きにも対応するものの、わりとミディアム〜スロー向きなバイブレーションという印象です。

朝方、通常のバイブに反応がなくなったときの粘りの一手でした。
ただ巻きに反応がなくなった後はリフト&フォールで追加キャッチ。
こいつは本当に仕事しますね。
良い点
「微波動」「サイレント」「超小型シルエット」という、いわゆるタフな状況でも釣れる要素が満載のバイブレーション。
糸絡みも少ない方でファストやアクションを入れた誘いもそこそこ良好ですが、水押しの良さを活かしたスローなアプローチこそ真夏や真冬の低活性時にハマりやすい優位性があります。
また、スレた個体や大型ほど数投で波動やアクションを覚えて反応しなくなりがちですが、そこで明確な違いを出しやすいのもシリテンバイブの特徴でしょう。
ライトタックルと相性が良く個々の筋肉量や体格に関わらず誰でも快適に扱えて、さらにサイレント性や泳ぎの安定性にこだわるならリーダー直結やスナップサイズを落として使うのもおすすめです。
フィネス特化系バイブ
気になる点
近場に潜む魚を確実に釣るためのルアーだけに、飛距離やアピール力を活かしたサーチや高活性時での使用には非効率です。
また、ややラフなコンディションだと風や波に影響されやすく、レンジキープやボトムの着底がわかりにくいのもデメリット。
カラーラインナップには銀粉カラーなどあるものの貴重なクリア系やホログラム系がないのも残念なところで、バイブレーションにしては値段が高いのもネックです。
高価格+汎用性の低さ
使いどころ
河川や干潟のシャローエリアや港湾のピンスポット攻略におすすめで、30m圏内のストラクチャー狙いに最適なバイブレーション。
シーズンはマイクロベイトパターンの多い初春〜初夏を中心に、凪、クリアウォーターで強みを発揮しやすく渋い状況ほどおすすめです。
特化した特徴のあるシリテンバイブの中でも43と53は釣れない”あの魚”に狙いを絞って使いやすいルアーで、53ならそこそこサイズのあるシーバスにも対応できる安心感があります。
おすすめ:河川/干潟/港湾
まとめ
というわけで、今回はマドネスの「シリテンバイブ53」をご紹介しました。
超小型シルエットと水押しの良さにくわえ、シリコンによる滑らかなアクションと静音性はスローなアプローチに最適な一本。
高価格な特化系バイブなだけに、使いどころさえ見極めれば非常に頼れる切り札になります。