近年、大手メーカーを中心に展開されるソリッドタイプのバイブレーション。
従来にはない魅力で、今やタックルボックスに欠かすことのできない人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は2017年にシマノからリリースされたバイブレーション「エクスセンス サルベージソリッド70ES」をご紹介します。
スペック
| サイズ | 70mm |
| ウエイト | 20g |
| タイプ | エクストラシンキング |
| レンジ | – |
| フック | #6 |
| リング | – |
特徴
シマノのシーバスブランド「エクスセンス」から発売される泉裕文氏監修の樹脂製バイブレーション。
ベイトライクな見た目で輝きを放つ「スケールブースト」と高い堅牢性を誇るソリッド(=中身の詰まった)な構造から、従来の定番「サルベージ」とは似て非なる特性が持ち味。
メタル製に劣らない抜群の飛距離(77m)と沈下速度(150cm/秒)でスピーディーに中層以下を探ることが可能ながら、ソリッドで薄肉樹脂ならではの立ち上がりと水切りの良さを実現。
また、フック絡みを防ぐキールヘッドデザイン、ファスト〜スローまで対応したただ巻き性能など、誰でも快適に使用できるこだわりも凝縮されています。
最もスタンダードとなる「70ES」は、様々なフィールドで使えて大型シーバスにも対応したフック(#6)を搭載。
インプレ
「サルベージ」よりもスリムシェイプで、例えるなら中肉中背(=サルベージ)からアスリート(=サルベージソリッド)になった感じでしょうか。
貫通ワイヤー式なので非常に強靭でおそらくちょっとやそっとでは壊れないし、ラフな場所で青物との対峙にも臆することなく使用できます。
ただ、樹脂製ならではの比重の軽さも併せ持つことからメタル製ほど硬質さ・鈍重さを感じません。
というわけで、早速インプレッションした感想を列挙していきます。
飛距離はPE1号で70m程度。
僕なんかだと80m近くはいきませんが、ボディが薄いこともあり荒天時でも安定しやすく条件が良いとかなりぶっ飛ぶなって思います。
とりあえず、空中戦に関してはメタルバイブと遜色ないレベルですね。
着水後の沈下は速くフリーフォール時はとくにボトムまでの着底がスピーディーで、その際フックが糸を拾ってしまうことも少なめ。
立ち上がりは抜群で瞬時にアクション開始。
サルベージよりもアピール力が高く、メタル系よりもマイルドなアクションという印象です。
前傾姿勢の比較的タイトピッチな泳ぎが特徴で安定感や直進性も素晴らしい。
アクション域は、ファスト〜スローまでかなり広いのでどのスピード感で巻いてもバイトがあり、クイックな動きにもそこそこ対応できる良さがあります。
また、ロッドアクションにも柔軟でリフト&フォールやシェイクリトリーブでの平打ちもおすすめ。
とくにフォールスピードが良いので、鉄板では速すぎるけどサルベージでは遅いといったときに絶妙な”食わせの間”を与えることも可能です。
個人的には広範囲のボトムのスロー引きやドリフトでガンガン使いたいため、結構ナイトゲームに有効なカラーを多用してます。
そして、ロストはあれど壊れたことは一度もないのがサルベージソリッド。
現時点でエクスセンスに同サイズのメタルバイブがないのも頷けるため、ここに代わる新たなカテゴリーとして今後も期待したいシリーズです。
良い点
樹脂製ながら広範囲の深いレンジを探ることができ、それでいてメタル製よりもスローに引ける。
ここがサルベージソリッドの大きな利点でしょう。
また、立ち上がりの良さや浮き上がりにくさが特徴で、巻き疲れやトラブルが意外と少ないのも好印象でした。
メタルバイブにはないクリアカラーがあるのも嬉しい点です。
総合力に秀でており、安価で流通量も豊富な「安い・強い・使いやすい」の三拍子揃ったビギナーにも最適なルアーだと思います。
最高クラスのコスパ
気になる点
とくに不満な点はありませんでした。
従来のメタルバイブや中空の樹脂製バイブと比べて一歩劣る部分もあったりしますが、バイブレーションとしての基本性能は高いレベルで備わっています。
–
使いどころ
港湾、河川、河口、干潟を中心に多少の水深さえあれば様々な場所で使えるルアーです。
速巻きでも充分使えますが、とくに低速でのアクションの良さを活かしたアップクロスからのただ巻きやボトムアプローチにおすすめ。
サルベージやメタルバイブと組み合わせることで、時間経過におけるレンジや活性の変化に柔軟に対応できるメリットもあります。
沈みやすくレンジも入って浮き上がりにくいので、泉さんも実践している護岸のテクトロやただ巻きでランガンするのも効果的です。
おすすめ：港湾/河川/河口/干潟/磯
まとめ
というわけで、今回はシマノの「エクスセンス サルベージソリッド70ES」をご紹介しました。
大手メーカーという信頼性もさることながら、スローに引けて「安い・強い・使いやすい」定番シリーズのスタンダードサイズ。
今も多くのアングラーから支持される優れたバイブレーションといえます。
