シャローゲームのスレ対策に欠かすことのできない表層系シンキングペンシル。
しかし、ゆっくり巻いても沈みすぎてボトムを擦ったり、かといって早く巻き過ぎても食わないなど、絶妙なレンジをスローに攻められるルアーを求める人も少なくないはず。
そこで、今回は2016年にアピア(アングラーズユートピア)からリリースされた「ハイドロアッパー90S」を紹介します。
スペック

| サイズ | 90mm |
| ウエイト | 16g |
| タイプ | シンキング |
| レンジ | 5〜10cm |
| フック | #6 |
| リング | – |
特徴
アピアとメガバスの共同開発でリリースされたRED中村氏監修のリップ付きシンキングペンシル。
逆反りボディに逆付けリップを搭載したことで、表層へと即座に浮上しナチュラルに水面直下を攻略可能です。
巻き速度を上げればローリング→スイングアクションへと変化する可変アクションに、引き波を出しての広範囲のアプローチも得意とします。
サヨリ、イナッコ、稚鮎パターンをはじめとしたシビアな状況でもマッチしやすいスリムボディとアクションからシャローエリアのあらゆるポイントで使えるアイテムです。
インプレ
プレビュー
ガルバの代わりになるルアーを探していたなかでピンときたのが「ハイドロアッパー90S」。
楕円形のリップと独特なシルエットが印象的で、シリーズではこの90Sがオリジナルモデルにあたります。
今回は、いかにも”浮き上がりそう”な顔したこいつを信じてシャローのシーバスを狙ってみました。
レビュー
飛距離はPE1号で60m程度。
キャストフィールは軽快でまっすぐ飛んでいけば飛距離は出るものの、姿勢がブレたり風を受けると減衰しやすい印象です。
着水後はバックスライド気味にスッと落ちていき、やや尻下がり姿勢からローリングで素早く沈下。
立ち上がりは可もなく不可もなくですが、コンセプト通り従来のシンペンよりもかなり早く表層へ浮上していきます。
アクションは、尻下がりのローリングとテールスイングによる微細なアクション。
巻き速度を上げることで、ハイピッチでテールアクションも大きくなる傾向でした。
基本はミディアム〜デッドスローまでといったところで、ファストになるとすぐに水面を割るので注意。
リトリーブ中は程よい抵抗感が伝わり、ただ巻き、ドリフト、ストップ&ゴー、ロッドを上げての引き波アクションなどアプローチの幅があるのも特徴です。

張らず・弛まず、このスピード、このレンジ。
と思いながら釣るまでは半信半疑だったけど、パターンにしっかりハマってこの日は数本キャッチ。
丸呑みさせてしまったため蘇生しつつ早めにリリースしました。
良い点
水面直下を割らず・沈まずデッドスローで攻めやすい点。
シーバスにとってベイトを追い詰めやすい絶妙なレンジをヨタヨタとゆっくり引けることから、ハマればスレにくくバイトを連発しやすいです。
また、平均点以上の飛距離もさることながら浮上が早いため、結果的に表層を長くトレースできるのも利点でしょう。
ロッドを上げて引き波を起こす、下げて大きめなアクションで誘うのもOK。
昨今では表層系シンペンもいろいろ発売されてますが、この独特なシルエットとサイズ感もハイドロアッパーの特徴だと思います。
表層のレンジコントロール
気になる点
ベイトパターンなどにもよりますが、スイム姿勢が尻下がりなので結構見切られる要因になってしまいます。
また、風や波の影響を受けやすい印象で、汎用的と言えるほどではないです。
サーフや磯でも使えるとありますが、フックサイズが不安なので僕は内湾でしか使ってません。
汎用性
使いどころ
河川、河口、干潟などのシャローエリアにおすすめで、サーフや磯場では夏場などのある程度凪いだ状況が使いやすいと思います。
流れの緩慢な河川や止水域では容易に表層を漂わせられるため、他のシンペンより強みが活かせるはず。
とくにハマりやすかったのが、イナッコパターン、ベイトが引き波を立てているとき、表層ボイル時などです。
浮き上がりやすくスロー特化なため少し扱いにくいルアーですが、使いこなせばシャローゲームで大いに活躍できるルアーです。
おすすめ:河川/河口/干潟/港湾/サーフ/磯
まとめ
というわけで、今回はアピアの「ハイドロアッパー90S」を紹介しました。
表層・スロー特化で浮き上がりやすい特性から使いどころや扱いに難しさを感じますが、感覚を掴めばアングラーが絶妙なレンジで”ハメやすい”リップ付きシンキングペンシルです。
その他おすすめルアー
ダイワ「ガルバスリム80S」
| サイズ | 80mm |
| ウエイト | 10g |
| タイプ | シンキング |
| レンジ | 0〜20cm |
| フック | #10 |
| リング | #2 |
同じリップ付きシンキングペンシルの中でもシルエットやサイズ感が近い「ガルバスリム80S」。
10gながら重心移動タイプで飛距離でも劣ることなく、ハイドロアッパーよりもややタイトなハイピッチローリング+スイングアクション。
浮き上がりや抵抗感は抑えめですが、表層のレンジキープに優れた特性があります。


